江戸浮世絵との違い

 同じ役者絵でも、江戸と上方では大きな違いがあります。上方浮世絵の特徴は、江戸浮世絵のように華美ではなく、粘っこい線でありのままを描くところです。加えて、視線が強く、それが構図の一部になっているのも特徴のひとつです。

 これは東西の文化の違いでしょう。体裁を重んじる江戸と、花より団子、つまり実を重んじる上方。役者はあくまでも格好良くの江戸と、素顔で公演後の舞台挨拶に立つ上方。役者を虚飾された世界に置いて楽しむ江戸と、生身の人間として尊敬する上方。このような根本的な文化の違いが、浮世絵の世界にも明瞭に現れています。

因みに、写楽は「あまりに真を書かんとて・・・」と当時記録されていることから、上方出身者ではないかという説もあります。実は上方錦絵の祖、流光斎(写楽と同時期に活躍)の浮世絵は、写楽の絵にとても良く似ているのです。