竹田出雲・並木千柳・三好松洛 他合作
初演 人形浄瑠璃  延享三年(1746) 大阪竹本座
   歌舞伎    同年九月      京嵐座

 菅原道真を素材に近松門左衛門の『天神記』をさらに発展させた全五段の時代浄瑠璃。
「義経千本桜」「仮名手本忠臣蔵」とともに日本戯曲、三代名作の一つに数えられます。

 左大臣菅丞相(菅原道真)は、右大臣藤原時平(ふじわらのしへい)の策略により太宰府へ流罪となります。菅丞相失墜の陰謀は数々の人間ドラマ、多くの悲劇を生みます。企みを知った菅丞相は、雷神となり怒りで京の空を焦がします。

菅原道真=天神様 - 天神伝説

 代々学者の家系に生まれた道真は、学問に優れ、醍醐天皇の時、55歳で右大臣に抜擢される。しかし、異例の出世が藤原氏や学閥の反感を買い、藤原時平の讒言(ざんげん)により失脚、太宰府へ左遷される。劣悪な環境の中で病に倒れ、失意のうちに生涯を終える。(延喜三年(903)2月25日)

 道真が太宰府で死んだ頃より、京都では天変地異が続くようになる。藤原時平の急死、疫病の蔓延、日照り、落雷、ついには醍醐天皇をも地獄に落とす。これらは、この世に怨念を残して死んだ、道真の怨霊のたたりとされる。道真は京都の北野天満宮に、その怒りを静めるために神として祀られる。

 「道真=天神様=怒れる怨霊」であったが、時代が進むにつれ、「道真=天神様=学問の神」へと変化してゆく。江戸時代には、寺子屋で天神をまつるなど、庶民のあいだにも天神信仰は広まってゆく。

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