天拝山の段(てんぱいざん)
この段は菅丞相の配流地太宰府が舞台となります。
流罪の後、夢のお告げを基に安楽寺を訪れた菅丞相と白太夫は、そこに一夜にして生えたという梅を見て、それが佐太村で白太夫が菅丞相から預かっていた梅の木であることに驚きます。そこへ梅王丸が、菅丞相の暗殺を狙っていた鷲塚平馬と争いながら現れ、平馬を捕らえます。平馬から藤原時平の陰謀を聞いた菅丞相は、梅の枝で平馬の首を討ち、白太夫・梅王丸親子に都へ陰謀を知らせるように命じると、自らはたとえ身は滅ぶとも霊魂は都へ戻り帝をお守りすると語り、そのまま雷神となって都へ向かって天拝山を駆け上がっていくのでした。
この絵は菅丞相が雷神となって天拝山を駆け上がっている場面です。手には平馬の首を討ち落とした梅の枝を持ち、時平への怒りに満ちた迫力の場面になっています。
菅丞相を演ずる3代目坂東彦三郎は、文化10年のこの芝居で引退します。引退興行での迫真の演技を、この絵からも十分想像することができます。
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